予定を立てるのが苦手なADHDにおすすめ!
ADHDの傾向として、
- 予定が立てられない
- 目標を設定してもなかなか実行できない
- タスクをこなすのが苦手
- 時間の感覚が弱い
このような特徴が挙げられます。私(診断は受けてないですが不注意型ドンピシャ)もかなり当てはまっており、試行錯誤の日々・・。
そんな中思いがけず出会った一冊の本。
今日ご紹介する本は、このような傾向で悩んでいるADHDにはぴったりの方法が記されていました。
とってもおすすめです!それがコチラ。
ストーリー思考 神田昌典著
経営コンサルタント神田昌典氏が書いた、自然に問題解決に向けた行動が起こせるようになる方法が記された本です。
手帳に書かれた予定やタスク管理は、ただのコトの羅列。
「それを行えば長期的にはこれに繋がっていく。」→「だからやろう!」というイメージがどうしても湧きにくいですよね。
行動する理由がいまいちピンとこない。興味が湧かない。だから手をつけない。何からやっていいかわからない。もう、こんな時間になってしまってやる気も起きない。
・・・こんな経験はないでしょうか?
しかし、クリエイティビティなことが得意であるADHDは、予定にも創造の余地を持たせることで、思いがけない発想が出てきたり、ワクワクして自然と行動に繋げられるかと思います。
本書では、「ADHD」については一切触れられていないのですが、
個人的に、この問題解決方法は、ADHDの特性を生かした最高の方法ではないか!と感じたのです。
その名も、フューチャーマッピング。
実際に手を動かしながら学びを体験できるように、演習課題とシート(巻末)も含まれています。
フューチャーマッピングとは、想像と現実を現すチャート
フューチャーマッピングとは、こんな感じで、フリーハンドで曲線を書いたものです。
これが想像と現実を合わせたストーリーになっています。未来予測を含むので、行動が起こしやすくなります。
フューチャーマッピング(全脳思考)とは、1 枚のチャートを完成させながら右脳と左脳を活性化させ、論理と感性を同時に満たすクオリティの高いアイディアを生み出す思考法です。単にアイディアを生み出すだけでなく、望む結果を得るまでのシナリオを自ら作り上げるため、行動につながりやすく、結果を出すことができるのが特徴です。
フューチャーマッピング(全脳思考)が導き出すのは、問題に対する対処療法的な解決策ではありません。それは目の前の問題を扱いながら、同時に何層も深いところにある問題を浮かび上がらせます。そのため、既存の延長線上にある解決策ではなく、新しい環境に適合した新しいレベルの解決策を導き出し、仕事のクオリティをアップさせます。
なぜ曲線が、未来のシナリオを導き出すのか?
コネクティング・ドッツ 点と点をつなぐと見えてくるもの
スティーブ・ジョブズがスタンフォード大学の卒業式で行ったスピーチの中に、
「昔は、ひとつひとつがバラバラで意味が見出せない経験が、将来、振り返ってみると、全部意味があるものになる。」
という有名なフレーズがあります。
「今までバラバラだった経験を振り返り、線で繋ぐことで、そこに必然的な連続が見出せる」
リベラルアーツと似ていますね。飽きっぽくて色々なことに興味がある性格の方は、自然とリベラルアーツができていたりするのかもしれませんね。「あ!そういうことだったのか!」という、今までの全てが繋がる感覚。これがフューチャーマッピングで得られる、コネクティングドッツの体験です。
予定・目標設定に使える!
フューチャーマッピングの具体的な方法は本書にわかりやすく書かれているので、ぜひとも読んで実践していただきたいのですが、その中でもすぐ使えそうな方法が、1日の予定を立てる時にマッピングを使うことです。
横軸を1日の時間軸にして、「朝は結構頭が冴えてるな。」とか、「お昼ごはんあとは眠くなるな。」とか、「このプレゼンはしっかり届けたい!」適当に左手で曲線を描くんです。その未来のシナリオを参考にしながら、予定を立てていきます。
ここからは、本書の内容で面白かった&役立ちそうなところを紹介していきます。
ストーリーとは、「はじめ・なか・おわり」
神話の法則(クリストファー母蔵長)を監訳しているストーリーコンサルタントの岡田勲さんの定義によると、
ストーリーとは、はじめ、なか、おわり。この3つがはっきりした構成になっていれば全てストーリー。
ストーリーコンサルタント 岡田勲
・・・なんてシンプル!!
例えば音楽なら、Aメロ、Bメロ、サビ。
コース料理なら、前菜、メイン、デザート。
プレゼンなら、① 現状の問題点 → ② 様々な方法と解決策 → ③ 希望を感じさせる未来と可能性
のように。
人気の秘密は顧客がストーリーの中を体験する仕掛け
面白いなと思ったのが、人気店や良い会社にも、はじめ、なか、おわりがあり、私たちは知らず知らずのうちにそれを体験しているという点でした。
例えば、ドンキホーテ。はじめ=お店に入った途端、目に飛び込んでくる面白そうな商品の数々。今から宝探しの冒険をするようなワクワク感が湧いてきます。なか=進んでいくほど、掘り出し物を見つけられて楽しめます。終わり=たくさんの発見があり、冒険を終えたような満足感に浸れます。
これを読みながら、気づいたことがあります。何かというと、私は商品を発送するときに気をつけていることがあり、それがまさにこのストーリー構成に当てはまっていたということです。
お客様が商品の段ボール箱を開けた瞬間に、目に飛び込むように入れているのが、「thank you」カード。私自身は挨拶ができないので、分身のつもりで制服を着た女の子が「ありがとう」とお辞儀をしているイラストです。今から開ける包みにワクワクしていただけたら良いなと。(=はじめ)続いて、商品。丁寧に、綺麗にラッピングしてある(はずw)です。「うわぁ〜〜写真で見たより素敵!買ってよかったぁ!」「着るのが楽しみだなぁ!」と思っていただけるように。(=なか)そして最後は、お取引を締め括る際の言葉です。フォーマルシーンのドレスをご購入いただいたお客様なら「素敵な1日になりますように。」、サイズやお色味などでかなり悩まれてからご購入された方には、「お色味はいかがでしたでしょうか?もし合わせ方など、気になる点があればいつでもおっしゃってください。」など、フォローの声かけ。「ここで買ってよかったな。」と、「いい体験だったな。」と思っていただけるように。
きっと、お店をされている方なら自然にやっていることだと思いますが、本書に当てはまっていて嬉しくなりました。
ストーリーは優れたネーミングを生み出す
優れたネーミング(タイトル)の5つの効果
- 一度聞いたら、忘れない。
- 複雑な概念をシンプルに伝えられる。
- 異なる視点で眺めはじめられる。
- 自分も関わりたいと思う。
- 周りに伝えたくなる。
本書で、優れたネーミングの例として挙げられていたのは、第66回のアカデミー賞、作品賞以下7部門を独占した「シンドラーのリスト」という名作。
私も、このタイトルを聞いただけでストーリーが頭の中に流れ始めます。
ナチスという強大な組織に、表面上は従順をよそおいながらも悠然と挑戦し、多くのユダヤ人の命を救った、ある男性経営者の物語です。その数、1,100人。彼らユダヤ人はナチスに惨殺される運命でした。
この映画、古いので白黒映画なのですが、一瞬だけ、赤色が映るシーンがあるんです。
死があるから生の躍動を感じる。そんなシーンがものすごく印象的でした。きっとご覧になられた方は皆さん印象に残っていると思います。
この暗い灰色の世界 ー 惨殺された尸の中を駆ける、1人の少女。
「桜ちゃん、会社の役割って何でしょう?」
「う〜ん。」
「会社とは、人の救済です。」
師匠から教えていただいたこんなやりとりの意味を、この映画を観て理解できた気がします。
アマゾンプライム会員ならこちらから無料で見られるのでぜひおすすめです!!
・・・と、こんな風に、書評を書いているのを忘れ、危うく何時間も語りそうになってしまうくらいの力がネーミングにはあります。さすが、優れたネーミングの効果は絶大!っていうのがお分かりいただけたのではないでしょうか?笑
テクニカルな問題解決とアダプティブな問題解決
問題解決法には2種類の方法があるそうです。下記、引用させていただきますと、
テクニカル(技術的)な問題解決と、アダプティブ(適応的)な問題解決。
例えば、集客を増やすために「メニューを変える」「割引をする」「ポイントをつける」などといった戦術面でのアプローチ。
正しく手を打った場合は即効性がありますが、根治療法ではなく、頭痛の時にバファリンを飲むような、対症療法に終わる可能性があるそうです。
自らがすべてをこなそうとする「プレイヤー」から、弟子を育て一人前にしようとする「リーダー」への成長。こちらは人材育成に対する根本的な会社のスタンスを問われるものであり戦略的なアプローチ。つまり根治療法。なぜアダプティブ適応的というかと言えば、環境の変化に対して適応するように自らの内面を変化させていくからである。
このアダプティブな問題解決思考が自然と身につく方法が、本書で紹介されているフューチャーマッピングになります。
まとめ
一度できるようになったら一生使える方法なので、本当におすすめです!
ADHD傾向で悩まれている人、右脳的な感覚が強い人は絶対に読んだほうがいい一冊だと思います!