特許申請を個人でするか迷っている!弁理士にメリットデメリットを伺った結果、

こんにちは。今日、歩道に咲いていたクチナシの甘い香りに、

クチナシと木蓮と金木犀との香りの違いがますますわからなくなった、けどもっと大好きになった、さくらです。

さて、本題。現在携わっている新商品の開発で、こんな壁にぶち当たっていました。

個人が特許申請を考えたときにぶち当たる壁

「個人だけど特許申請はどうしよう?」

「特許申請するメリットデメリットは?」「費用は?」

「そもそもうちの商品で、特許申請しても取れないかもしれない…。

「特許申請した方が良いという意見もあればしなくて良いという意見もあって迷う。」

「既に、他の特許侵害をしている可能性があるんじゃないの?」

素人で情報収集していても埒が開かない!

餅は餅屋に相談だ♪

ということで、市が運営している新事業センターの弁理士さんに無料相談をしてきました!

結論、相談してみて本当に良かったです!

わたしたちの場合は、納得して、「特許申請はしなくて良い。」という結論に至りました!

おかげ様で、今までぐるぐる悩んでいたことが、ほぼ解決できました!

自分用のメモと、個人で特許申請をどうしようか迷われている方の少しでもヒントになればと思って書きましたので、

ぜひ最後までお読みいただけたら嬉しいです!

最後に弁理士さんから聞いた裏話も載せています!

※弁理士の先生の見解はそれぞれ異なります。あくまで一個人のケーススタディとしてお読みくださいね。

特許は○○○を守るもの

弁理士さん曰く、「製造業を守るものが特許」だということです!

つまり、「構造」について何か知恵を得たもの。例えば、コクヨのカドケシ。

特許申請は個人で出願できるの?

結論、個人では難しい!

まず、国内外の無数にある既存の特許の中で、類似のものはないか、調査をする段階から、高い専門性が求められます。

さらに、1枚で出願できるような商標登録などの申請書類とは違い、

特許出願には10枚ほどの提出書類が必要だそうです。

それも、特殊な専門用語がたくさん出てきたりするようなので、もしやり方を教えてもらったとしても、経験のない個人では明らかに不可能な領域です。

特許分野は多岐にわたっているので、弁理士の中でも、この分野に特化した専門の先生という方を探してお願いするのが賢いようですね。

特許と認められる条件は?

1.新規性「それは、今までにない新しいものですか?」

特許を受けることができる発明とは今までにない新しいものでなければなりません。

「これは自分が思いついた!世紀の大発明だ!誰の真似もしていない!」としても、すでに同じような特許があればそれは新規性とは認められません。知っていた、知っていないに関わらず、です。

意外と盲点なのが、

「ねぇねぇこれ見て!いいもの思いついたんだけど!」

「もう販売しちゃった!」「SNSにあげちゃった!」「展示会に出しちゃった!」

など、既に誰かに「発明」を見せてしまった場合も、特許が通らなくなるそうなのです。

それが自分自身の「発明」であっても、「既に公開済=新規性がなくなった」とみなされるそうです。

ただしそれが公開から一年以内であれば、特許申請ができる特例があるそうですが、書類を余分に書かなければなりません。

特許を視野に入れているのであれば、出願前までは公表を控えるのが賢明ですね!

ちなみに、私たちの商品の場合は、20年前に発明の元となるものを公証役場に提出してしまっていました。(この時点だけでは新規性が無いと判断されます。)しかし、現在では当時のものと明らかに形や構造が変わった別物に近くなっているので、「新規性は失われていない」との判断になるようです。

2.進歩性「誰かが簡単に思いつくようなものではないですか?」

まだどこにもない発明だとしても、誰でも簡単に思いつくようなものだと発明とは認められないそう。

さらに、それによるメリットを論理的に説明できないと、認められないようです。

①部分的に材料や設計を変更したもの

例)シールなどの装飾を付け足す、木材からプラスチックに変えただけ、厚みを変える、などの部分的な変更。

②他の分野からの転用

例)健康に良いとされる器具を、医療分野からネックレスなどの装飾品として転用する。

ただの寄せ集め

例)シートベルト+子供用座席=チャイルドシート

こういった既存の物の寄せ集めは、実用新案になるようです。

例)鉛筆+消しゴム=消しゴム付き鉛筆

これは、最初は特許が認められ、発明者であるリップマンは大儲けしたそうですが、実はリップマンよりも先に考案した人から特許侵害だと訴えられ、結局は特許は無効となったそうです。

特許に必要なのは、全く新しい別物ということでしょうかね。

私たちの商品の場合は、もし構造上で新規性が認められたとしても、それによって得られるメリットを科学的根拠に基づき説明できていない状態でした。(結果としてメリットは明らかだけれど、どうしてそうなるのか誰も理由が説明できない。摩訶不思議状態。)なのでその時点で「発明」としての条件を満たしておらず、難しいかもしれないという判断でした。

特許申請をした方がいい場合、しないほうがいい場合は?

特許申請をした方がいい場合

  • 「構造」について目新しい知恵を出し、それにより得られるメリットを、科学的に証明できる場合
  • 特許所得によって、100万円以上の売り上げが見込める場合

特許申請をしない方がいい場合

  • 既に類似の発明がある場合
  • 製造過程に発明があり、工場の内部などで外部に漏れる心配がない場合(そっとしておけば誰にもバレないのに、申請すると発明が公開されるのでデメリットの方が大きい。)

特許申請のメリット&デメリットは?

特許申請の費用は?

トータル100万くらい!

弁理士に頼むと、トータルで100万円くらいかかるそうです。

大手企業では、何百万単位で経費をつめるかもしれませんが、個人の自己満足で気軽に「やってみよう!」とは簡単に踏み出せない額ですよね。しかも、これだけ費用をかけても、通るかは別問題。

特許申請したらどれくらいの確率で通っているの?

通るのは約半数!

実際のところ、申請しても半数ほどは認められずに終わってしまうそうです。

もちろん、もしダメでも、申請にかかった費用は戻ってきませんのでご注意。きゃー!

特許申請の期間は?

出願〜登録まで平均5年

願書出願から、登録までを見ると、トータルで約5年くらいかかるケースが多いそうです!かなり長いんですね!

さらに驚いたことは、

「特許で守られる期間は20年」というのは、実際のところ「特許で守られる期間は出願から20年」なので、

登録までかかる5年を除くと、実質15年しかないんだそう。それ以降は、「みんなで使っていいですよ〜。」となります。

特許はあくまでビジネス

そもそも、国としてはビジネスを加速させたいので、特許がない方が競い合いが

個人的な考察

私はこれを聞いて、「どんどん変化が加速しているこの時代に、個人が向こう15年だけのために申請するメリットはほとんどないな。」と感じました。

もし特許が取れたとしても、5年かけて審査してもらっている間に時代が変わり、既にその発明は必要とされなくなっている、ということが十分に考えられるからです。

だったらこの時代の変化を敏感にとらえながら、臨機応変に商品・サービス自体を変化させられるように、立ち回れるように努力していくほうが、逆に「自分たちの身を守り、続いていく」ことに繋がるのではないかな、と思いました。

個人で特許申請をすれば儲かるの?

実際は少数派

「個人で特許申請をして、大儲けした〜!」となるケースは、ごく僅かなようです。

でも、普通の主婦が大ヒットを飛ばす!という夢物語も、ないことはないと。

例えば車のワイパー。あれが「動いて〜止まって〜」を繰り返す間欠式になっているのは個人の特許だそうで、発明者はこれを車の大手ビッグスリーに売り込もうとしたものの、ビッグスリーは「こんなもの使えるか!」とそれを拒絶。にもかかわらず、こっそりこれを盗用して車を販売、、、これが裁判沙汰となり、発明者は多額の賠償金を手に入れたのだとか。

但し、「こんなケースは極めて稀です。」と。

この実話は、なんと映画にまでなっているそうで。

気になって調べたら、ありました!

「幸せのきづな」 面白そうな映画を教えてもらえて嬉しいです♪(本題はどこへ?)

弁理士さんの見解

今回の私たちのケースでは、「特許は必要ないでしょう。」という見解をいただきました!

理由は2つ。

  1. メリットの科学的根拠が説明できず、「発明」まで持っていけないから。
  2. 小規模ビジネスで、守りで特許を使おうとしているのであれば、その時間とコストをブランディングに使うほうが賢明かもしれない。

(訴えられたらその時はその時だ、というスタンスにしました!但し責任は個人で。)

条件:最低限、既存の発明がないかを自分で調査して、素人目にもわかるほどの類似がないかだけはチェックすること。

個人間で特許で揉めているケースは、実は人間関係のいざこざ、つまり内輪揉め等の腹いせとして使われていることが少なくない。だから、そういった人間関係に気を配ることが、意外と訴訟の予防に繋がってくる。

特許申請を個人でしようとした時のまとめ

・特許の分野は、個人の領域を超えている!悩んでいるならまず専門家の意見を聞こう!

・特許の条件を満たしていて、100万円以上の利益が見込めるならメリットあり!

・そうでなければ申請しなくてもいいかも!?

・特許申請の有無にかかわらず、ブランディングは必須!

今回お世話になった機関

名古屋市新事業支援センター

受付の相談員の方から、今日弁理士の先生まで、とても親身に相談に乗っていただきました!

専門的な立場からの的確なアドバイスだけでなく、私たち側からもフラットな目線で多角的に判断してくださり、ものすごく有難かったです!
大変話しやすい雰囲気でした。
とてもとても感謝しています!ありがとうございました!相談は無料なので、近郊の方はぜひおすすめです!

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